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【三菱地所の軽井沢駅北口開発計画】

 令和5年5月26日、新軽井沢区民会館で行われた説明会では、現段階での事業計画についての説明が行われた。複合施設の場所はしなの鉄道が所有していた軽井沢駅東側の信越本線の線路跡地。三菱地所が土地を借りて建物を建設し、テナントに貸すという形で、ホテル、温浴施設、店舗(飲食・物販)を計画している。

計画では平屋の建物が中心で6棟がそれぞれ独立して配置されている。ホテルは2階建で駅からの連絡通路の部分だけが3階になるという。

【この計画の問題点】

 旧信越本線のホームや線路の真上にホテルや温浴施設、店舗の建物を建設します。そのため在来線の発着ホームは壊して廃線跡の線路もすべて撤去して建物を建設します。

 現在、信越本線跡は廃線になっているとはいえ、沿線住民の碓氷峠の鉄道復活への期待は高く、県境を挟む峠に鉄道事業を復活させることにより両県の県民にメリットがあります。

軽井沢駅に連なるこの場所に、商業施設を建設してしまうと関東からの線路は、永遠に長野県側の線路と接続できなくなってしまいます。これは、両県の沿線住民にとって大きな損失です。

一企業の利益のために、長野および群馬の沿線住民が在来線の鉄道復活により将来得られるであろう経済的効果を潰してしまって良いものでしょうか?

平成18年には軽井沢町の佐藤雅義町長は、碓氷・軽井沢間の鉄路復活を望む中で、鉄路を1線だけ残すようにしなの鉄道側に要請してました。現状の開発計画では、鉄路のスペースが残されておりません。

​軽井沢町だけで説明会を開催したようですが、小諸から高崎まで旧信越本線の沿線で説明会・公聴会を行い住民の意見を聴くべきだと思います。

【三菱地所の開発計画が地域にもたらす不利益】
1.旧信越本線沿線住民の願いである碓氷峠の鉄道事業復活が永久にできなくなってしまう。
2.県境を挟んだ旧信越本線沿線地域の交流が廃線前のように出来なくなる。
 ・群馬県(関東)の住民が小諸方面の観光に行けない。小諸方面の地域経済が良くならない。
  群馬県側の住民が気軽に軽井沢に行けるようにならない。
 ・長野県側の住民が関東に出るのに鉄道は料金の高額な新幹線しか選択肢が無い。
 ・代替交通機関の碓氷バスで軽井沢の渋滞と峠のカーブで揺られ続けなければならない。
3.軽井沢町の東側からのパークアンドライドが出来なくなるため、
  軽井沢のオーバーツーリズムは永久に解消できない。
4.鉄道は線路がつながってこそ意義があります。
  関東と長野の在来線の分断が固定化され、永久に線路は繋がらなくなってしまいます。

※一企業の金もうけのために将来の鉄道事業の再開が不可能になり、両県の沿線住民が被る不利益と地域の経済効果の逸失利益は甚大であると言わざるを得ません。

「人を、想う力。街を、想う力。」のある企業でしたら
計画を見直していただきたいと思います。

※三菱地所への要望事項

軽井沢町の佐藤雅義町長が、しなの鉄道に要望したように、軽井沢の東の玄関口になる場所なので、

線路一本分のスペースを残して将来線路をつなげることができるように設計変更していただきたい。

軽井沢駅東側の眺め 1997年 廃線前
軽井沢駅東側の眺め 2020年4月
軽井沢駅東側の眺め 信越本線のホーム解体中 2023年6月
軽井沢駅信越線ホームと線路の撤去工事 2023年6月
線路の撤去された矢ケ崎付近の信越本線跡 2023年6月
矢ケ崎トンネル付近にわずかに残る信越本線線路 2023年6月
​軽井沢駅から矢ケ崎トンネルまでの信越本線跡の地図
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